2013.
11.10
Sun
所在地:東京都台東区浅草2-3-1
建築年:客殿は安永6年(1777)、大書院は明治35年(1902)
構 造:木造平屋
見 学:非公開 
交 通:浅草駅~徒歩5分
TEL:03-3842-0181
   ※詳しくはコチラ⇒【金龍山 浅草寺
伝法院1
 東京の観光地といえば、浅草寺が上位に入るでしょう。
実はその浅草寺境内に素晴らしい日本庭園があるのをご存知でしょうか。
 小堀遠州が作庭したと云われる伝法院(浅草寺本坊)の回遊式庭園は、明治まで秘園とされてきました。
 以前、タモリさん出演のNHKの番組で、浅草寺に素晴らしい庭園がある事を知り、いつかは訪れてみたいと思った場所で、通常は非公開の寺院です。
 この度その願いが叶い、東日本大震災復興支援により2013年3月21日~5月7日まで特別公開との情報を得て、見学に行きました。
平日のうえ、あまり知られていないためか、観光客で賑わう表の喧騒に比べ、地元らしきお年寄り達が訪れ、列をなす事もなく浅草寺五重塔の絵馬堂にすんなりと入場。
入場料300円と良心的な値段でありながら、その収益は東日本大震災の義援金になるとの事。 さすが浅草寺、その心遣いに脱帽です。
 まずは、RC造の建物に入ると浅草寺の歴史コーナーがあり、次に「大絵馬ゾーン」という、壁一面に巨大な絵馬が数多く掲げられた展示スペースに進みます。
歌川国芳・谷文晁・柴田是真ら一流の絵師や職人により作製された絵馬・扁額250点が、現在も保存されています。
中には、将軍・秀忠(2代)家光(3代)や、歌舞伎役者で2代目(中村)猿若勘三郎が寄進した大絵馬もあり、当時の人々の信仰心の厚さを感じる事が出来ます。
 一旦、絵馬堂を出ると、回遊式庭園特有の鬱蒼とした木立に囲まれた道があり、しばらく進むと建物と池が見えてきます。
背景に見えるスカイツリーが、ここは浅草なんだと実感させてくれます。
伝法院2
 伝法院には、安永6年(1777)の客殿と玄関、明治35年(1902)の大書院が残る。
この度の公開は、庭園と大書院を外側から見学するというものでした。
伝法院・大書院上の間
大書院の上の間。
大書院は、明治35年(1902)再建で、上の間・中の間・下の間に分かれる。
伝法院・大書院欄間
欄間細工
伝法院・大書院彫刻
折上げ天井にも彫刻が。 庭からの撮影なので不鮮明。
伝法院・火灯窓
火灯窓に似ているが、彫刻がダイナミック。
伝法院・灯篭
 左側の石燈籠は、小堀遠州の孫・小堀政延が延宝3年(1675)に奉納して、本堂前に設置されていたもので、その後、念仏堂→伝法院に移設された。
天祐庵
 天祐庵……天明年間に茶人・牧野作兵衛により表千家の不審庵を模して建てられた茶室で、戦後に五島慶太翁と浅草寺婦人会により寄進された。
天祐庵2
壁は塗り直されたようで、新しく見える。
天祐庵・腰掛待合
天祐庵の腰掛待合
伝法院・石垣
園内にある石垣には、奉納した人物や店の名が彫られている。
伝法院3
 伝法院は江戸初期には観音院と呼ばれ、天禄3年(1690)中興 第4世・宣存僧正の坊号から名付けられたもの。
江戸時代には、上野寛永寺の法親王が兼帯しており、徳川家の祈願寺として将軍の御成もあったといいます。

 金龍山 浅草寺(聖観音宗 総本山)は、飛鳥時代(628年)檜前兄弟が江戸浦(隅田川)で漁の最中に観音様を引上げ、出家した士師中知の自宅で観音様を祀った事に始まり、645年に勝海上人が観音堂を建立し、その観音様を秘仏にしたとの事。
観世音菩薩は現在も見る事は出来ません。
平安時代(942年)平公雅が建立した、五重塔・仁王門(宝蔵門)・雷門は、度重なる焼失の度に再建され、現在の建物は昭和のRC造です。
本堂も昭和20年3月10日の東京大空襲で全焼し、昭和33年(1958)大岡實設計によりRC造で再建されました。
鎮護堂・裏
伝法院の庭から見た鎮護堂(ちんごどう)
こちらは一般の方も参拝できますが、表からはこの内陣はあまり見えません。
鎮護堂
 鎮護堂は「おたぬきさま」と呼ばれ、火災・盗難除け・商売繁盛として庶民に親しまれています。
伝法院の庭園に沢山棲みついた狸の乱行を抑えるため、寺の用人・大橋亘が、明治5年(1872)自邸の庭に祀った事が始まりと云われ、明治16年(1883)伝法院の一角に建立されました。現在の建物は大正2年(1913)に再建したものです。
 今の東京でも公園等には獣臭い穴があるとの事で、どうやらハクビシン等が住んでいるよう。
現に15年ほど前、通勤電車に乗って外を眺めていたところ、JR武蔵境~武蔵小金井駅間で線路脇に佇む狸を見かけた事があります。 狸も電車の音に怖がらない程、現代生活に順応しているようです。

 係りの人に、次の公開はいつ頃ですかと尋ねたところ、開催は不明との事。
滅多に公開しないようですので、次のチャンスを見逃さないように。

【2013年5月 訪問】 


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