2014.
09.07
Sun
建築年 : 昭和10年(1935)落成、 昭和53年(1978)改修、 平成25年(2013)耐震補修
構 造 : 木造一部2階建て、鉄骨補強あり 
設計施工: 設計は池田谷建築事務所、 施工は北井工務店
住 所 : 大阪市 西区 江戸堀1-16-9
交 通 : 地下鉄 四ツ橋線「肥後橋駅」8号出口~徒歩1分、
        御堂筋線「淀屋橋駅」南出口西~徒歩8分
T E L : 06-6441-2403
 ※詳しくはコチラ⇒【金光教玉水教会
金光教玉水教会
 肥後橋商店街の外れにある、玉水教会と書かれた和風の建物に次々と人が入っていくので、その人達の後ろに付いて門の中に入りました。
ちらりと覗いてみると、建物内も和風であり、人々が椅子に座ってお祈りをしています。
 今思えばすごい度胸でしたが、受付にいらした御年輩の婦人に「建物を見学してもよろしいでしょうか?」と声を掛けてみました。
 その方は、「どうぞ誰でも入れますよ。 今日は先生がいらっしゃるし、せっかく来たのだから、お願いをしてみては?」と、祭主がいらっしゃる前の方へと連れていかれました。
 そこでは3人ほど順番待ちをしており、まずは補佐の方に願いを伝え、祭主(教会長)の近くに進み出る形式のようです。 今さら後に戻れずドキドキしながら待っていると、すぐに私の番が来ました。
 補佐の方は物柔らかな男性で、建物の見学に来た事を伝えると、祭壇に祀られている銅像は玉水教会の初代であり、現在の4代目教会長(湯川正夫師)は子孫であると、説明をして下さいました。
 いよいよ教会長の下へと進みましたが、「建物を拝見させて下さい。」と御挨拶だけして下がりました。
金光教玉水教会・玄関
玄 関
金光教玉水教会・内部
会堂は総檜造り
金光教玉水教会・天井
格式の高い、折り上げ格天井
金光教玉水教会・耐震補強
大広間横の部屋に設置された耐震補強柱。 吊り橋の様にワイヤーで引っ張る構造のよう。
平成25年4月から実施された耐震補強ほか修繕工事は、㈱金剛組が手掛けた。
金光教玉水教会・屋根
 今回の耐震補強に合わせ修繕された銅板葺の屋根。
下屋の部分は葺いたばかりで、銅板はピカピカに光り輝いているが、数日で赤褐色になり、やがて薄緑色になる。 この薄緑色の緑青は被膜であり、銅板内部の腐食を防ぐ効果があるが、近年では酸性雨などで緑青が溶けて、腐食が進行している鎌倉の大仏が話題になった。


 金光教(こんこうきょう)とは、安政6年に金光大神(赤沢文治)が開いた新宗教で、「天地金乃神」様をお祀りする神道系の宗教です。
布教が出来なくなった国家神道(神社)に替わって設立された「神道事務局」の傘下となった後、明治33年(1900)に独立。 明治政府が認可した神道13派(教派神道)の一つで、本部は岡山県浅口市金光町にあります。
これらの教派神道は神社名を冠する事を禁止(1888.4.17)されたため、教会となっています。
 金光教は、現在は国内1500、海外30カ所に教会があり、宗教・宗派を問わず参拝者の願いを神に伝える「取次」が行われているようです。

 玉水教会の初代教会長・湯川安太郎師は、明治3年、和歌山市御膳松に生まれ、父親が亡くなったため叔母のいる中尾家で育てられました。
大阪で奉公し、明治27年から独立して乾物の小売行商を始めていましたが、金光教に感化され入信。 神職の資格を取って明治38年に家業を知人に譲り、土佐堀裏町の家屋にて布教を始め、翌39年に教会を発足させます。
大正4年、船町橋付近へ移転。 さらに大正9年に江戸堀上通1-8 に教会堂を新築。
 また昭和に入ると教会堂の新築が計画され、昭和9年に上棟式(1934.4.5)と遷座式(1934.12.11)が、翌年に落成式(1935.4.19~4.21)が行われました。
 現在は曾孫の湯川正夫師が4代目教会長となっています。


 設計者の池田谷 久吉は、住宅等を手掛けた他、大宮神社本殿(1936 金剛組 施工)などの社寺建築や郷土史の研究に携わりました。
 自邸(昭和初期=1927頃、非公開)は、泉佐野市大西1丁目に現存し、蔵の2階(6畳間)が仕事場兼書斎であったといいます。 主屋は昭和24年(1949)に増築され、玄関東脇に寺院の古材を用いた3畳茶室があるとの事。
 大正15年(1926/2/4)に法隆寺五重塔の芯柱下の空洞調査をしており、法隆寺の森山師と佐藤氏の3人で芯柱下に潜り、僅かに残る芯柱が石枠の上にただ載っていた事などを〔※1〕に記しています。

【参考文献】
  金光教HP
  金光教玉水教会HP
  教派神道連合会HP 「教派神道連合会百年史」
  文化庁・国指定等文化財データベース
※1 「法隆寺五重塔と空洞の調査研究」(1926) 池田谷久吉

【2013年10月 訪問】

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