2015.
01.04
Sun
見  学 :9:00~17:00(入館は16:30迄)有料、 休館は月曜日(祝日の場合はその翌日)、年末年始
所在地 :千葉県 佐倉市 宮小路町57
交  通 :JR佐倉駅~徒歩15分or、京成佐倉駅~徒歩20分or、宮小路町バス停~5分
T E L :043-486-2947
      ※詳しくはコチラ⇒【武家屋敷
佐倉・薬師坂
 武家屋敷と旧堀田邸、佐倉順天堂記念館を廻るため、JR佐倉駅前の観光情報センターで貸自転車を借りる事にしました。 職員に坂道があるか尋ねると、どちらも高台にあるため急坂か、延々と続く緩い坂になるとの事。 そこで短い急坂(薬師坂)のある武家屋敷から廻る事にしました。
言葉通りのその坂は、自転車を降りて登るほどの急勾配。 たとえ敵が攻めて来ても勢いが落ちるような坂です。 その薬師坂を上がると平らな道となり、生垣に囲まれた武家屋敷に辿り着きます。
佐倉武家屋敷
 この辺りは佐倉藩の上中級武士の屋敷があった所で『鏑木小路』と呼ばれ、屋敷の前に土手を築いてイヌマキ等の生垣を作り、背後に常緑樹や果樹を植えていました。 明治以降は一時、陸軍歩兵第二連隊の将校達が住んでいたようです。
現在は3軒の建物が公開されており、解体調査のうえ現地保存された旧但馬家の隣に、旧河原家と旧武居家が移築復原されています。
佐倉武家屋敷・解説
鏑木小路の一角にある解説版
高台にある城を川と堀で囲い、背後を武家屋敷と寺社にする事で守りを固めた。
この辺りの井戸は深くて水を汲むのが大変で、昔は「佐倉へ嫁やるな」と言われたという。
佐倉城大絵図
佐倉城大絵図 (展示パネルより)
堀外、左下の辺りが鏑木小路
旧河原家1
旧河原家住宅(18C後期~19C前期)…300石ほどの武士の住まい
佐倉で現存する最古の武家屋敷と云われ、昭和62年(1987)佐倉市に寄贈、平成元年3月から解体調査・移築工事開始。 式台・次の間・中の間・縁側が復原され、翌年(1990.6.30)から一般公開。 年4回の特別公開があり、室内に上がる事ができる。
旧河原家・座敷
旧河原家の座敷 
藩令(下記参照)によると佐倉藩では300石以上で漆喰壁が許されたが、千石未満は長押が禁止されたという。 旧河原家は天保の御制前に建てられたと想定し、この部屋には長押を復元しているもよう。 座敷・居間は近江表畳へり付、その他は七嶋表畳へり無しの仕様。
旧河原家・男部屋と居間
左:土間の脇にある男部屋             右:旧河原家の居間
旧河原家・刀箪笥
刀箪笥などが展示されている
旧河原家・茶の間
旧河原家の土間・台所・茶の間
旧但馬家
旧但馬家住宅(19C前期)…150石ほど
最初の住人は誠心流槍術師範の井口家で、岡田家を経て明治8年(1875)に但馬家の所有となった。
平成2年12月から解体調査・復原工事開始、平成4年(1992.5.1)から一般公開。
藩令(下記参照)により、座敷は近江表畳へり付、その他は七嶋表畳へり無しの仕様。
旧但馬家・座敷
旧但馬家の座敷:旧河原家よりも立派に見える
旧武居家
旧武居家住宅(19C中期)…90石ほどの武士の住まい
文政~天保頃には依田家、天保7-11年頃には服部家、安政6年には田島家が使用。
藩令(下記参照)により、座敷は七嶋表畳ヘリ付、その他は七嶋表畳ヘリ無し。
復原工事完了後、平成9年(1997.7.19)一般公開。 
旧武居家・土間
旧武居家の土間と台所
 この建物の解体発掘の際に、上下に口を合わせた素焼きの浅鉢が出土。 その場所は式台の箱段下から2組、土間の隅から7組で、胞衣(えな)納器と推測されています。
かつての日本では産後すぐ洗い清めた胎盤を土器や桶に納め、屋外や出入口の下などに埋め、(地域によっては屋根裏に吊るし)神祭式を行う家もあったようです。 明治~大正初期の家相本には胞衣納めとして、両親にとっての吉方位に埋める(日当り・通気の悪い所は避ける)と記されています。 また、ある地域では息のない赤子を救うため胞衣を火にかけたという事から、分身=身代わりであったのかもしれません。
 明治中期以降に各地で条例が出され、胞衣は専門業者で処理するようになりました。 千葉県では明治33年(1900.5.2)胞衣及産穢物取締規則が公布され、家や井戸・湧水から9.2m以上離れた地に埋めるか、それ以外の場所では91㎝以上の深さに埋める事となり、処理業者も免許制となったようです。
武家屋敷パンフ
天保御制(1833)により定められた佐倉藩の上中級武士宅の建築制限(既存建物は改修・増築の際に対象となった)
※写真はパンフレットより引用


 堀の方向にある『ひよどり坂』等、趣のある道は徒歩が良いですが、旧堀田邸と佐倉順天堂記念館は坂道は少ないものの多少の距離があるため、自転車での移動は正解であったようです。

【参考文献】
佐倉武家屋敷解説シート
「胞衣にみる産と育への配慮:禁制産育書における子どもと母の関係」(神戸大学レポジトリ2010)島野裕子 著
「家運発達子孫長久家相方鑒大奇書」 1919 松浦国美 著

【2014年4月 訪問】

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