2012.
07.22
Sun
建築年: 昭和6年(1931年) 
所在地: 近江八幡市土田町
構 造: 木造 (国の登録有形文化財)
設 計: ヴォーリズ建築事務所  担当:佐藤久勝
見 学: 個人宅のため非公開

前田邸01
 この建物は、ヴォーリズ建築事務所の所員であった、佐藤久勝の自邸です。
佐藤久勝は、滋賀県立商業学校(現:八幡商業高校)出身で、ヴォーリズのバイブルクラスで学んだ生徒の一人。
ヴォーリズや吉田悦蔵らとの記念写真も残っております。(滋賀ガイドのHPをご覧下さい。)
 その後、建築事務所の所員となり、大丸心斎橋店や大同生命旧本社ビルなどを担当、数々の作品を残しました。
 しかし、新居が完成した翌年の昭和7年に、肺炎のため41歳で他界。
建物は事務所の後輩であった前田重次に譲られた後、その息子さんの住まいとなっております。
※前田典夫氏は2013年5月に亡くなられました。 ご冥福をお祈りいたします。
現在は別の所有者が、大事に保存をされているようです。 貴重な建物であり、個人的にも一番好きな住宅。 その建物を残して下さった事に、深く感謝申し上げます。

前田邸03
複雑な建物の形。外壁は左官の手により素人風に仕上げている。丸いステンドグラスは後程。
前田邸04
この床下通気口だけデザインが凝っている。
前田邸07
建物の裏手。応接室のテラス窓。
前田邸08
その横にもテラスと階段の窓が。 
前田邸12
表玄関。
前田邸16
その脇にある池。 中心に噴水がある。
前田邸14
玄関 表側                        玄関 内側
前田邸19
玄関ドア左手には収納                  玄関ドア右手には網戸が収まる
前田邸2
玄関ホール左手                     玄関ホール右手
前田邸25
玄関ホール右手にあるコーナー。 手前のシェーカースタイルの椅子は佐藤久勝の物か。
前田邸27
玄関入って左側にある応接室。
前田邸30
左: 造り付けのガラス戸棚             右: 応接室の暖炉
前田邸31
左: ドアの取っ手も特注か。          
右: 丸いステンドグラスには、この建物の引越しの様子がデザインされている。
  先程のシェーカーの椅子と、大きな時計を運ぶ人物がいる。
前田邸36
玄関入って右手にある食堂。
左: 造り付けの食器棚。真ん中の引戸を開けると厨房とつながる。
右: 造り付けの椅子とテーブル。
前田邸37
食器棚の脇に暖炉があり、その上には飾り棚がある。和洋折衷なデザイン。
前田邸42
左: 玄関ホールの照明               右: 食堂の照明

 佐藤久勝はこの自邸に関して、『湖畔の声』湖声社(近江兄弟社の機関紙)の中で、 「あくせくとする日の多い自分にとってはせめて郊外に住居して、土の香に親しんで、人間味豊かな時を持ってみたいと思ったのである。(中略) 家は落成に近付いた。もう庭の手入れも遅くはない。
箱庭式の庭木は植木屋の特製に任せて私の庭木はもっともっと枝を張らせる事にしよう。
自然を損なわぬよう。宇宙の造物主の心を、よく受け入れる事にしよう。垣根のない庭が欲しいものだな。」と、書いているそうです。 この『湖畔の声』は、ヴォーリズが発行していた和訳付きの広報誌が起源。明治45年に『湖畔の声』となり、現在も発行されております。
 そして、膨大な蔵書を管理するために、昭和15年に近江兄弟社図書館が創設され、初代館長に吉田悦蔵が就任。 昭和22年に町立八幡図書館と併合され、昭和50年から近江八幡市立図書館になりました。 『湖畔の声』第1号も、貸出し禁止ですが保管されております。

【2009年10月 訪問】

スポンサーサイト

comment 0 trackback 0
トラックバックURL
http://mosu3.blog.fc2.com/tb.php/37-2d0488d2
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top