2012.
11.18
Sun
所在地:静岡県熱海市西熱海町二丁目12-3
開 館:年末年始を除く土日のみ公開※日曜日のみ公開 10:00 ~ 16:00
料 金:無 料
電 話:0557-85-7377
交 通:JR熱海駅~バス約15分~西熱海別荘地前バス停~徒歩15分 ※詳しくはコチラ→【熱海市観光協会

彩苑
 熱海駅からバスに乗ると、曲がりくねった細い坂道を登っていきます。 そして西熱海別荘地前バス停を降りました。
山の中に作られた別荘地には戸建ての住宅が建ち並び、大通りを歩く人もなく、本当にこの道で合っているのか不安になる程。
しばらくすると曲がり角に「彩苑」の道案内があり、ようやく一安心。  しかし、最後の分岐路には案内板がなく通り過ぎてしまい、畑仕事をしていた人に尋ねて辿り着く事ができました。 ここはやはりタクシーの方が無難かもしれません。
 そこは知人宅の様な雰囲気がある家で、長い道のりを歩いた訪問者をシルバー人材の方が出迎え、お茶を振る舞って下さいました。  この建物は昭和52年(1977)に杉本苑子さんの別荘として建てられ、昭和55年から平成7年まで本居として使用。 ここで数多くの作品が生まれました。
 その後、別の地に本居を構えたため熱海市に管理を委託し、この建物は人々が華やかに集まる場所 『彩苑』 と名付けられ、平成8年から一般公開されております。
 ここ熱海は、一昔前まで慰安や新婚旅行で訪れた温泉地として繁栄しました。 しかし、国内外へ安く旅行ができるようになってから、昔の賑やかさがなくなりました。
一方で、温暖な気候と温泉、海と山がある風光明媚な地に文化人や実業家が別邸を構えた事から、保養地としての一面もありました。
近年になり別邸の一部が熱海市に寄贈され、その建物が観光地として新たな魅力を生み、若い世代の人を呼び込む観光資源となっています。
彩苑-玄関ホール
 玄関ホールは天井が高く、開放的な空間
左:玄関ホール左手に階段・居間・水廻りと続く。 廊下の上には収納があり、階段の途中にその入口がある。
右:玄関ホール右手は応接室になっている。 上部の襖は収納ではなく欄間の様なもので、本来は下にも襖が有り、暑い時期は上部の襖を開けて通気ができるようになっている。
彩苑7
1階の座敷は、食事や団欒などの居間として利用していた
彩苑1
2階の一部は展示室になり、熱海ゆかりの文化人の資料を展示
彩苑8
2階の寝室
彩苑5
スタッフの方に許可を取り、1階の台所を拝見させて頂いた
右の写真は、台所の脇にある書生やお手伝いさん用の小部屋
彩苑6
洗面脱衣所と浴室
タイル貼りの浴槽は掃除が大変だが、好みの大きさや深さに出来るのが利点


 杉本苑子さんは、大正14年(1925)東京・牛込区(現・新宿区)の薬局の家に生まれます。 昭和24年に文化学院文学部を卒業すると、2年後に「サンデー毎日」の懸賞に応募。 『申楽新記(のちの「華の碑文」)』が佳作に、翌年には『燐の譜』が大衆文芸賞に入選します。
 その後、昭和35年まで吉川英治氏に師事し、書庫の整理や年表作成する傍ら、習作を書き続けます。
のちに、昭和61年(1986)『穢土荘厳』が第25回女流文学賞に、昭和37年(1962)『孤愁の岸』が第48回直木賞を受賞。 『冥府回廊、マダム貞奴』が、昭和60年(1985)にNHK大河ドラマ『春の濤』として放映されました。 そして、平成14年(2002)に文化勲章を受章。
 小説家として有名ですが、幼い頃に児童劇団に入り、舞台やラジオに出演。 学生の頃は世阿弥の研究をしていた事から、歌舞伎や舞台として上演できる作品も多いようです。

【2012年5月 訪問】

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