2012.
12.16
Sun
建築年:昭和62年(1987年)
所在地:熱海市梅園町9-46
構 造:鉄筋コンクリート造 一部2階建て
設 計:熱海市 建設部 建築住宅課
見 学:9:00~16:30、 有料
休 館:祝日除く月曜  
TEL:0557-81-9211
交 通:JR熱海駅~バス15分「梅園」or「澤田政廣記念美術館前」下車、or JR来宮駅~徒歩15分

    ※詳しくはコチラ→【澤田政廣記念美術館】 
澤田政廣記念美術館1
中山晋平記念館がある熱海梅園の前に『初川』が流れ、対岸には人工の滝があり、吊り橋を渡ると澤田政廣記念美術館があります。
その建物は岩の様にデコボコしており、廻りを小川に囲まれ、大木の丸太が置かれています。
とても奇抜なこの建物は、谷村美術館(村野藤吾)のイメージが反映され、熱海市の職員による設計と、職人により一風変わった空間に仕上がっています。
澤田政廣記念美術館3
 外壁はモルタルの擬岩仕上げであり、躯体の上にSBR系ポリマーセメントモルタルを吹付け、乾かないうちにベースネットを張り、ゼロスランプモルタルを乾式工法で吹き付けています。
 内壁はナイロンパイルを静電植毛して仕上げています。 躯体の上にSBR系ポリマーセメントモルタルの乾燥後、軽量骨材(発泡スチロール系)入りプラスターを吹付けた後、接着剤を塗布し、供給機とコンプレッサーを使ってベージュ色のナイロンパイル(14デニール・3mm)を飛ばして、高電圧発生機で静電植毛しています。 パイルには吸音と保温効果があり、調湿と埃の対策が出来れば、クロス張りにして住宅にも利用できるでしょう。
25年経った現在、階段の手摺部分などに植毛の剥離と、全体的に埃でくすんだ印象があるものの、澤田政廣の作品と共に異空間を体感出来ます。
澤田政廣記念美術館4
玄関ホールにあるステンドグラスの光天井は、澤田政廣によるデザイン。 『飛天』1987
澤田政廣記念美術館2
右:『曼珠沙華(マンジュシャゲ)』1959  
   アモーガ・パーシャ(不空羂索観音)か?  追記参照 ※下記の「続きを読む」 
左:通路の天井が一番、幻想的かもしれない。
澤田政廣記念美術館5

 澤田政廣(さわだ せいこう)は、明治27年(1894)熱海で廻船業を営む澤田家の三男として生まれ、『寅吉』と命名されます。 19歳で旧制中学校を中退し、木彫家・山本瑞雲に師事。 大正10年(1921)に第3回帝展に入選。 雅号を『寅』とした昭和2年から3年連続で特選を受賞。 昭和10年には太平洋美術学校の講師となります。 その後、日展でも受賞し、昭和31年(1956)雅号を『政廣』に。
晩年に、東本願寺 難波別院の蓮如上人像、見延山久遠寺 祖師堂の日蓮上人像、奈良薬師寺 西塔の尊像仏などを手掛け、昭和54年に文化勲章を受章。 昭和63年(1988)病により93年の生涯を終えました。

〔参考文献:月刊 建築仕上技術1988年2月号〕

【2012年5月 訪問】



 【追 記】
八臂の立像の作品名・・・『曼珠沙華』(まんじゅしゃげ)   昭和34年(1959) 65歳

 
 館長の相磯 浩 氏より、ご回答を頂きました。
誠にありがとうございました。

 澤田政廣は、寺社などから求められたときは、儀軌に忠実な像を造る一方で、日展などの展覧会では、必ずしも造仏の約束事にとらわれない、自由な形式の仏像を数多く制作しています。
この曼珠沙華もそのような作例の一つでございます。
 澤田政廣の言葉を、別添のとおりご紹介致しますので、参考までご高覧下さい。 

「私は“いまの時代”を背景とした作家的態度で仏像をつくりたいと思うんです。宗教家としてではなく、近代芸術家としての訓練の結果を仏像に表現したい。近代の心がにじんだ仏像、言いかえれば過去と自分の勉強した近代と、次の時代までつながっていく仏像をつくりたい。そんな野望を持っているんですよ。」  昭和41年


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