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2018.
02.25
Sun
建築年:昭和2年(1927)竣工、 何度か改修工事あり
構 造:鉄筋コンクリート造2F+B1F+塔屋
設計施工:設計は佐藤功一、 施工は吉田與八
所在地:岩手県盛岡市内丸11-2 
電 話:019-623-4681
アクセス:JR岩手駅~バス『県庁・市役所前』下車スグ
  ※詳しくはコチラ⇒【岩手県公会堂
岩手県公会堂1
 日本の歴史あるホールの一つ、岩手県公会堂。 管理者の案内のもと内部を拝見させていただきました。
大ホール・議事堂・食堂・行在所が一つの建物に配置された複合施設は佐藤功一が設計したもので、早稲田大学の大隈記念講堂と同じ昭和2年(1927)に竣工しています。
 建物北側には大ホール(第一公会堂)と中2階に玄関があり、南側には1階に正面玄関と事務室、2階に貴賓室・特別室(行在所)と知事室などがあります。
西側は新庁舎が完成する昭和40年まで岩手県会議事堂として使用され、1階に議事堂玄関があり、参事会室・応接室などが配され、2階に議事堂がありました。 1階北側には傍聴人用の玄関があり、3階が傍聴席となっていたようです。
議事堂は第二公会堂とも呼ばれ、一般の使用も可能でしたが、現在は天井が張られて傍聴席も無くなり、26号室となっています。
東側は食堂として昭和20年8月まで使用。 地下の厨房から1F小食堂・2F大食堂まで配膳用昇降機で料理が運ばれていました。
大改装後の昭和28年から平成29年まで地階で食堂『公会堂多賀』が営業(現在は閉店)。
他の部屋は会議室として使用されていましたが、現在は貸室として利用可能となりました。
岩手県公会堂3
左:正面玄関            右:議事堂玄関
岩手県公会堂・正面玄関
正面玄関ホール:1Fには当初、事務室と電話交換室・応接室・宿直室などがあった
岩手県公会堂・1F階段
正面玄関の階段ホール(階段裏には中庭の通用口がある)
岩手県公会堂・1F東側廊下
1F東側廊下:当初は 遊戯室・喫茶室・バー・小食堂・婦人室などがあった
岩手県公会堂・1Fドア
左:12号室(旧 遊戯室)      右:13号室
当時の遊戯室にはビリヤード台が2台があったという
岩手県公会堂・2F階段
2F階段ホール(廊下の奥に旧 知事室や参与室がある)
通路などの床は当初からリノリウム張りで、部屋によっては寄木張り・毛氈敷きとなっていた
岩手県公会堂・貴賓室
2F応接室(旧 貴賓室/本営御統監室)
昭和3年に昭和天皇が陸軍大演習行啓の際に使用されたが改装済み(当初の床は毛氈敷き)
岩手県公会堂・特別室
応接室隣の特別室(旧 行在所):かつては和室6帖+10帖の二間続きで、昭和天皇の宿泊所となった。
部屋向かいにあった浴室・化粧室は現在、トイレに改修されている。
岩手県公会堂・2F大食堂1
2Fの21号室(旧 大食堂)
岩手県公会堂・2F大食堂2
旧 大食堂には演奏用バルコニーがあり、ダンスホールの機能も備えていたようだ
岩手県公会堂・2F大食堂3
旧 大食堂裏の配膳室
岩手県公会堂・楽手室1
3F楽手室への出入口:昭和23年から一時的に公会堂多賀が喫茶室として使用していた  ※非公開区域
岩手県公会堂・楽手室2
左:3F倉庫(旧 楽手室でカーテンの向側に演奏用バルコニーがある)
右:裏階段                     ※非公開区域
岩手県公会堂・案内図
案内図
岩手県公会堂・外套室
傍聴人玄関と外套室があった場所
岩手県公会堂4
かつての傍聴人玄関は現在封鎖されている
岩手県公会堂・通用口
職員通用口と地下レストランへの入口
創業者がベルリン大使館付料理長を務めたという『公会堂多賀』は3代続くレストランであったが、残念ながら2017年3月末で閉店した。


 当初は北側に公会堂、西側に県会議事堂、東側に食堂などがあり、南側2階に貴賓室や知事室がありました。
玄関も用途別に分かれ、北側に公会堂玄関と傍聴人玄関、西側に議事堂玄関、東側に通用口、天皇を迎えた正面玄関は南側にありました。
終戦後の昭和20年(1945.9)~昭和22年(1947.3)まで進駐軍が病院として接収。
県庁舎へ移転となり、県会議事堂は農政部へ、公会堂は警察部ホールへ、食堂「公会堂多賀」は警察部の地下へ移ります。
昭和22年(1947.3)返還された後、議事堂が復活すると県議会を再開。 地階には岩手美術研究所が開設され、深沢省三夫妻らが指導。
(深沢夫妻の別荘については⇒軽井沢
翌年にはGHQ推進の保健所が1階に設置(昭和27年移転)され、3階(楽手室)に公会堂多賀が喫茶室を開店しています。
昭和28年に大ホールなどが大改装され、2F大食堂は会議室に変更。 地階で公会堂多賀が営業を再開。
昭和35年に2F和室(行在所)などを解体。 昭和40年に新議事堂が完成すると殆どの部屋が貸室となりました。
さらに昭和49年に外壁補修、昭和51~52年に内外装工事が実施されています。

※次回は岩手県公会堂の大ホールをご紹介します

【参考文献】
岩手県公会堂 年表など

【2017年6月 訪問】



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2018.
02.11
Sun
建築年:昭和11年(1936)竣工
構 造:鉄骨鉄筋コンクリート造、3F+塔屋+BF
設 計:大蔵省臨時議院建築局(原案は宮内省内匠寮有志によるコンペ作品)
所在地:東京都千代田区永田町1-7-1

国会議事堂3
国会議事堂では国産の石材・木材が多用され、その装飾として様々な彫刻が施されています。
国会議事堂・装飾3
〔中央塔屋〕 左:壁面(アカンサス?)、 右:頂華/フィニアルfinial 的な箇所(蓋付き甕)
何故か至るところに壺/花瓶/蓋付甕…様々な瓶(へい)の文様が彫刻されており、唐草文様/人工的葉飾りもよく見かける
国会議事堂・装飾1
左:中央玄関上の外壁(瓶)
右:階段塔屋の外壁(アカンサスの蕾?)
国会議事堂・装飾2
中央玄関ホールの階段脇
国会議事堂・装飾9 
中央玄関ホール脇のドア上(瓶と?)
国会議事堂・装飾5
左:中央広間の照明(瓶)
右:中央玄関ホール/広間のドア枠(瓶と鳳凰) 天皇が足を踏み入れる場所には鳳凰の装飾が見られる
御休所ドア上装飾
御休所ドア上装飾(アカンサス・瓶・棕櫚・?)
天皇の控室で、鳳凰は部屋内の壁面に描かれている。 
国会議事堂・装飾6
上:参議院議場の玉座上(鳳凰・菊・桐・唐草)
皇室の紋章の十六八重表菊花紋、日本政府の五七の桐花紋をアレンジ(花びらの枚数が違う)
下:中央玄関のドア(瓶・鳳凰)
国会議事堂・装飾15
参議院議場の貴賓席下(パルメット)
参議院議場・扉
参議院議場のドア(瓶・唐草)
国会議事堂・装飾8
参議院議場の各所(瓶・唐草)
参議院・御傍聴席
参議院議場のバルコニー(盾と剣・農作物と鎌・工具・翼と杖・唐草など)※衆議院も同様
貴族院の旧議場にある士農工商を表す装飾で、華族以外に学者や多額納税者等の貴族議員枠があった。
秘書官室・ドア上装飾
秘書官室ドア上(瓶・唐草)
国会議事堂・装飾12
参議院1Fホール上部(瓶・唐草) ※衆議院も同様
国会議事堂・装飾11
参議院玄関ホール脇のドア上(有翼の獅子・葡萄と穀物?)
国会議事堂・装飾13
空調ガラリ(瓶・花唐草)


 実は国会議事堂の設計者は一人ではありません。 計画段階から担当していた妻木頼黄・武田五一、コンペ優勝者の渡邊福三、実施設計を担当した矢橋賢吉・大熊喜邦・吉武東里など、様々な技師や役人が関っています。
建物は大正9年に着工し、関東大震災で工事が一時中断。 日本の復興と清栄を願い、設計管理者や施工会社の現場監督、一流の職人達の技術で完成しました。

【2017年5月 訪問】

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2018.
02.04
Sun
建築年:昭和11年(1936)竣工
構 造:鉄骨鉄筋コンクリート造、3F+塔屋+BF
設 計:大蔵省臨時議院建築局(原案は宮内省内匠寮有志によるコンペ作品)
所在地:東京都千代田区永田町1-7-1

国会議事堂2
衆議院に引き続き、参議院70周年特別参観が平成29年5月(2017.5.20~5.21)に開催され、中央玄関や議場内部が特別公開されました。
参議院・登院表示盤
参議院・登院表示盤:議員が登院した時にボタンを押すと、数カ所ある表示盤のランプが同時に灯る
参議院・1Fホール
参議院・1Fホール
2Fホールまでの腰壁・柱・手摺の石材は黒部峡谷付近のオニキス、階段の段石は山口県産「薄雲」
参議院議場
参議院の議場:普段の見学コースでは入る事が出来ない
参議院議場・議員席
議員席:記名投票用の木札入れ(青票・白票各6枚)を職員に開けてもらう
平成10年(1998)第142回の本会議から押ボタン式投票機に変更されて自動になったが、機械が組み込まれていない席が何ヶ所かある。
椅子・机は桜材
参議院議場・席
議長席と天皇の席:会期の初めに両議院の議員が参議院議場に集まり、天皇をお迎えして開会式を開催
会議中は進行補佐をする事務総長が議長の隣に座り、副議長は自分の席に座る
参議院議場・書記席
左(速記者席): 時計が5分毎に鳴り速記者が交替
右(速記者用の通路):1F記録部から直通の階段
参議院・御傍聴席
議場バルコニー中央:天皇の御傍聴席は完成してから一度も使用された事がない。
手前に記者席、両脇に一般傍聴席があり、バルコニー装飾には士農工商のモチーフが彫刻されている。
議場内部の木部は欅材の摺漆塗り仕上げ
参議院議場・天井
天井埋込み照明:宇野沢ステンドグラスが制作したもので、真鍮製の防護ネットが張られている
参議院・第一委員会室
参議院3F・第一委員会室
参議院・議長応接室2
参議院2F・議長応接室
参議院・議長応接室1
議長応接室:こちらは歴代議長の額がないのでホッとする
参議院・第一委員会応接室暖炉
議長応接室の暖炉と刺繍画:直火ではなく放熱器を使用。 石材は岩手県上閉伊郡産「紫雲」
参議院・自民党&こころ控室
参議院2F・自民党&こころ控室(訪問時)
参議院・自民党&こころ控室2
参議院2F・自民党&こころ控室:登院すると札を裏返す昔ながらの形式で趣がある
参議院・民進党控室
参議院2F・民進党控室:訪問時は蓮舫議員が代表であった
参議院・公明党控室
参議院3F・公明党控室
参議院・公明党控室天井
参議院・公明党控室:装飾はとても凝っている

※次回は国会議事堂の装飾に焦点を当ててみます。

【参考文献】
「国会あちらこちら」服部恵龍 著 1960 信貴書院
「大理石・テラゾの五十年の歩み」全国石材工業 1965

【2017年5月 訪問】


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