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2018.
03.18
Sun
建築年:明治18年(1885)着工、明治20年(1887)頃完成
構 造:煉瓦造2F+半地下+屋根裏部屋
設計施工:不 明
所在地:岩手県盛岡市清水町7-51 
公 開:ギャラリーOPEN時
アクセス:JR岩手駅前~『下の橋町バス停』~約3分
  ※詳しくはコチラ⇒【旧石井県令邸
旧石井県令邸2
 こちらは煉瓦造の洋風住宅としては、東北の中でも古い時代の建物です。
岩手県令・石井省一郎の私邸として建てられ、進駐軍の接収を経て、一時的に県庁の分書庫として使用されました。
その後は済生会・盛岡産院が賃借しており、昭和28年の会報によると「産院病棟30坪を改造し乳児室を設け~中略~隣接フランス式洋館を借受け、その3階(2階と思われる)を乳児院に充て7月2日移す」となっています。
そしてバレエ教室として使用された後、昭和42年に遠山病院が買収して、遠山准看護高等専修学校になりました。
(和館は別の所有者が買収して増改築)
現在は遠山家の子孫の方がギャラリー/貸スタジオとしていますが、古い建物のため修繕費が掛かり、市の補助金と個人負担で維持するのは大変との事でした。 
旧石井県令邸・外壁
囚人と思しき紅い服を着た職人が煉瓦を積んだという事から、設計施工は盛岡監獄の建設に関わった者と云われている。
外壁仕上げは、砂漆喰塗り→モルタル塗リシン吹付に、屋根は和瓦葺き→トタン葺き→長尺カラー鉄板に改修済。
旧石井県令邸・玄関
左:玄関外、  右:玄関内 (玄関ポーチに扉が新設され風除室となっている)
旧石井県令邸・1F書斎
1F書斎(暖炉上の写真は遠山富夫・美知夫妻):別にあった書類焼却用小暖炉は盛岡産院時代に塗り込められた
旧石井県令邸・1F応接間
1F応接間:当初の漆喰壁にはくすんだ模様の壁紙が張られていたとの事
旧石井県令邸・1F応接間暖炉
1F応接間の暖炉
旧石井県令邸・1F階段ホール
1F階段ホール前:左手に食堂があり給仕口を設置(右手に地下厨房への階段)
旧石井県令邸・2F階段ホール
階 段:2Fの踊り場は柱が無く、鉄棒で吊るしているが、同時に多人数が立ち入らない方が良いだろう。
旧石井県令邸・2F階段ホール2
階 段:呼び鈴のスイッチがある手摺
旧石井県令邸・2F南東
2F南東の客間:暖炉は部品が紛失
旧石井県令邸・2F南西
2F南西の客間
旧石井県令邸・2F南西暖炉
2F南西の客間の暖炉
旧石井県令邸・2F床
2F客間の床
旧石井県令邸・窓
客間の窓:煉瓦の厚みを利用した二重窓
旧石井県令邸・2F南西天井
2F南西の客間:天井通気口とカーテンボックス
旧石井県令邸・金庫室
2F金庫室:丸い穴はストーブの煙突用。 壁に内蔵された金属棒はシャッターの開閉装置で、下に歯車とハンドルがあった。
窓も有る部屋で、金庫扉が中から開錠できればパニックルームに使用できたかもしれない。
旧石井県令邸・金庫室シャッター
銀行にも採用されたシャッター
旧石井県令邸・金庫室2
左:屋根裏への階段         右:2F金庫室前
旧石井県令邸・屋根裏
屋根裏:使用人室や倉庫に使用
旧石井県令邸・屋根裏2
屋根裏の窓:東京の旧岩崎久彌邸にも同じ様な階段がある
旧石井県令邸・小屋組
屋根の小屋組み
旧石井県令邸・地下3
地 階
旧石井県令邸・地下2
地 階:右奥の部屋に裏口がある
旧石井県令邸・地下1
地 階:当初は厨房などがあったがロッカー室等に改装され、和館との地下通路は埋め立てられた。
旧石井県令邸・菱組天井
上:1Fトイレの天井        右:地階の菱組天井
長崎などの古い洋館のベランダに見られる格子状の天井
旧石井県令邸・天井通気口
各室の天井にある通気口の装飾
左上:階段踊り場下, 右上:2F南東客間, 左下:1F食堂, 右下:1F応接間
旧石井県令邸・階段通気口
屋根裏に抜ける階段ホールの通気口:かなり通気に気を使っている
旧石井県令邸3
裏 口


 施主・石井省一郎は天保12年、豊前ノ国企救郡片野村(現・福岡県)で小倉藩士の子として誕生。
明治2年に新政府の役人になり、明治10年には土木局長に就任。
県令として明治17年(1884)に岩手県に着任し、明治24年まで岩手県知事として活躍しました。
着任の年に盛岡監獄の大火で県知事官舎が類焼。 上衆小路(現・清水町)の土地を買収し、この自邸を新築しています。
私生活では妻・應子を亡くした後、カネを後妻に娶り、子供をたくさん儲けました。
かつては隣りの和館と地下道で繋がっており、洋館では書斎しか使わず、普段は和館で暮らしますが、寝る時に布団の下に拳銃を隠すほど暗殺を恐れた時代でした。
その後、茨城県知事・貴族院議員になり、東京の高輪台に邸宅を持ちますが、国会に召集される以外はこの屋敷で過ごし、本籍も移すほど盛岡が気に入ったようです。
昭和5年(1930.10.20)他界。
旧石井県令邸

 【参考文献】
盛岡市指定保存建造物石井邸100年記念「旧石井県令私邸100年のつどい」実行委員会 1985
日本病院会雑誌「洋館つれづれの記」遠山美知 著(遠山病院理事長) 1985
済生310「盛岡産院乳児院」 1953 恩賜財団済生会

【2017年6月 訪問】


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2018.
03.04
Sun
建築年:昭和2年(1927)竣工、何度か改修・補修工事あり
構 造:鉄筋コンクリート造2F+B1F+塔屋
設計施工:設計は佐藤功一、 施工は吉田與八
所在地:岩手県盛岡市内丸11-2 
電 話:019-623-4681
アクセス:JR岩手駅~バス『県庁・市役所前』下車スグ
  ※詳しくはコチラ⇒【岩手県公会堂
岩手県公会堂2
管理者の案内のもと、岩手県公会堂の大ホールや旧大食堂などを拝見させていただきました。
岩手県公会堂・券売所
左:券売所              右:床タイル
岩手県公会堂・大ホール玄関
玄関ホール
地階には当初、下足室・売店・理髪室などがあったようだが、その階段は現在封鎖されている。
下足室があったという事はスリッパに履き替えていたのだろうか。
岩手県公会堂・大ホール1
大ホール:第一公会堂とも呼ばれ、かつてはステージ前方にオーケストラピットもあった。
岩手県公会堂・大ホール2
大ホール:2F中央奥に映写室
岩手県公会堂・大ホール座席
床仕上材は剥がされているが、座席が現役!で驚く
当初の床はコルク貼で、壁は漆喰の上に和紙袋張り+銀紙張りであったという。
岩手県公会堂・舞台袖2
左:舞台の柱の装飾           右:舞台への階段        ※非公開区域
岩手県公会堂・舞台袖1
舞台袖                   ※非公開区域
岩手県公会堂・舞台裏
左:舞台下の通路                    ※非公開区域              
右:舞台裏の階段(手摺は木製):舞台袖の明り取り窓がある 
岩手県公会堂・案内図
案内図
岩手県公会堂・模型
資料室にある模型
岩手県公会堂・外壁
外壁のスクラッチタイル
建物の施工は岩手県中野村の吉田與八(与八)が請負い大正14年に着工、タイルや設備・家具類は東京の業者が担当。
ラジエーター式スチーム暖房に、水洗式トイレの汚水は浄化槽を通して中津川へ流したという。
岩手県公会堂5
左:地下にあった厨房も東南向きで明るい      
右:下から見えない2F外壁にはタイルが貼られていない
岩手県公会堂・装飾
左上と右上:大ホール玄関の壁面装飾
左下:大ホール玄関の枠          右下:南側通用口の枠

【参考文献】
「岩手県商工人名録」1929 盛岡商工会議所
岩手県公会堂年表など

【2017年6月 訪問】
       
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